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2014.08/31 省エネタイヤ(1)

タイヤの残溝が少なくなったので、タイヤを交換した。12年勤務したゴム会社のタイヤである。交換前のタイヤは10年使用したにも関わらず外観はひび割れも無くきれいだった。技術の進歩を感じた。

 

新車への交換を考えていたのでタイヤ交換を見送るつもりであったが、万が一を考えて6ケ月後の車検前であるが交換を決意した。恐らく車は廃車にされるので、交換したタイヤはムダになるかもしれないが、タイヤメーカーに勤務した経験からリスク回避のため新しいタイヤへ交換した。

 

驚いたのは、省エネタイヤがブームで店頭には省エネの文字が並ぶ。新入社員時代にも同様のブームがあったがこれほどでは無かった。40年ほど前二回のオイルショック騒動で石油資源に対する関心が高まり、省エネタイヤが開発された。

 

自動車全体に対するタイヤの省エネ効果はわずかであっても、省エネタイヤとそうでないタイヤとの省エネルギーの差は大きく、宣伝に活用された。この省エネタイヤの技術に使われたのがシリカである。

 

タイヤの補強材料にはカーボンが用いられているが、この一部をシリカに置き換えることで、エネルギーロスが減少しタイヤの転がり抵抗が小さくなる。ただ、エネルギーロスが小さくなるとグリップ力が悪くなる(WET SKIDが低下)ので、転がり抵抗とWET SKIDのバランスをとる必要が出てくる。

 

当時タイヤ用ゴムへのシリカの配合技術は先端技術だった。カーボンフィラーでは対応出来ない転がり抵抗とWET SKIDのバランスをうまくとることのできる、コストの安い唯一のフィラーとしてシリカは注目された。

 

 

カテゴリー : 一般 高分子

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