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2014.07/30 技術者の企画提案力(4)

技術者の職人化がメーカーの問題となっている。技術者の職人化を防ぐには開発現場のマネジメントが重要である。この傾向は高度経済成長期の時にも存在したが、低成長の時代になって職人を処遇できる場所が肉体労働部門だけになった。職人には企画提案力も無いので、もはや仕事は社内だけでなく国内に無い厳しい状況である。

 

一方本人が職人である、という自覚を持っているかどうかという問題がある。この自覚を促すために企画を担当させると良い。長年技術開発の現場で仕事を担当してきたならば、ある程度の企画提案力がついているはずで、半年に一度アウトプットとして事業企画を求めるのだ。技術者の気質が残っているならば企画提案力はあるはずで、もし半期に一度企画を提案できないならばそれは技術者に戻ることができないスキルの無い新しい職人である。

 

この判定方法は、開発現場で技術者の職人化を防止する時にも使える。すなわちチームを作らせて、それぞれのチームのミッションとして次世代技術のシナリオを担当者に書かせる。定期的にシナリオ発表会を行い、これぞと思われるシナリオを選び、さらに事業企画まで練り上げる作業を進めさせる。そして、これらの仕事はすべて見える化して行う。

 

日々の多忙な開発業務の中で負担を強いることになるが、このような活動は技術者の職人化を防ぐことができるとともに、企画とは何かを指導することが可能となる。開発現場は本来企画マンのたまり場になっているのが望ましい。

 

ここで注意しなければいけないのは、アイデアマンと企画マンは異なる、ということだ。アイデアだけでは良い企画提案まで至らない。

 

企画能力で最も重要なことは、企画する能力そのものよりも社内の調整、いわゆる根回しをどこまで丁寧にできるかという社内調整能力である。この能力は、特別な能力と言う人もいるが、知識と情報で補うことが可能と考えている。

 

社内で公に企画提案する前に調整すべき部署と企画の内容に関して十分な調整を済ませておくこと、これが企画提案力として最も重要である。管理者は担当者に社内の情報を与え、この点をうまく指導しなければいけない。

 

カテゴリー : 一般

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