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2014.08/29 当たりのある宝くじ

野依理事長は中間報告の会見で面白い表現をした。検証実験を「当たりのある宝くじではない」と言ったのだ。古くから当たりくじの無い宝くじを「狸の宝くじ」と言っている。この言葉を言わなかっただけでもSTAP細胞の存在にかける意気込みを感じる。

 

iPS細胞の発見では、山中博士は消去法という宝くじを引くような手法を使い、見事に当たりくじを引いた。昨日にも書いたが、STAP細胞のように科学的に存在が確認されていないどころか否定されている現象を科学的に攻めても解決の糸口を見つけることは難しい。山中博士同様にヒューマンプロセス、すなわち技術による解決を行う必要がある。

 

新聞を読むと、理研も最後は非科学的手法に頼るようで、小保方さんの投入を検討している。このあたりは、データの捏造と断罪しながらも、ゆれる理研の思惑が見て取れる。分子生物学会はぶれること無く検証実験などやめてしまえの大合唱で、奇妙な構図が見えてくる。

 

この科学の混乱は未来技術をどのように開発すべきか象徴的に示しているように思われる。20世紀まで信じられてきた、科学の発展こそ技術の進歩を約束する、という哲学が、今揺らいでいるのだ。21世紀の技術は、科学の進歩を待っていては進まない。技術をヒューマンプロセスで開発しなければいけない時代である。

 

20世紀にロジカルシンキングはじめ科学的な問題解決法がもてはやされた。科学の時代であったので、ビジネスの問題解決法と言えばすべて科学的な手法であった。しかし今後ビジネスの現場で重要視されなければいけないのは、目標仮説とヒューマンプロセスである。

 

詳細は弊社で販売している研究開発必勝法で解説しているが、一部は「www.miragiken.com」に探偵物語を事例に紹介している。未来技術の開発は、当たりがあるかどうか分からない宝くじを引かなければならない。しかし、未来は決してタヌキノタカラクジ、カラクジではなく夢のある技術が人類に発掘されるのを待っている。若人よ、がんばろう。

 

 

 

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