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2015.03/30 タグチメソッド

メーカーの技術者ならば常識かもしれないが、事務系の仕事を担当されている方には聞き慣れない言葉かもしれない。これは日本生まれのアメリカ育ち、そしてアメリカから輸入された開発手法で1990年代に日本で普及した、田口玄一先生の考案された開発手法である。

 

この手法では、開発しようとしているシステムの基本機能の選択が難しい。基本機能の選択を失敗すると1ケ月近く行った実験が全部だめになる。だから田口先生は基本機能の研究をよく行え、と言われ、基本機能の選択は技術者の責任とまでおっしゃっていた。

 

日本で普及が始まった頃、田口先生のご講演を写真会社でいち早く拝聴させていただいた。その講演会場で、ご講演終了後の質問時間に、某自動車会社の技術者が田口先生に質問をした。

 

質問内容は、タグチメソッドを使って最適化したけれど、確認実験でうまく再現しなかった、という内容だった。そのしたり顔の技術者の質問に対して、田口先生は一言、「それは君が選んだ基本機能が間違っている」と答えられ、それ以上議論が進まなかった。

 

すごい先生だ、とびっくりした。その後そのすごい先生から直接3年間ご指導いただいたが、親切な先生だった。講演会場の出来事のような一方的な物言いではなく、実際に電卓をたたきながら、桁数の丸め方がどうの、など細かいところまで見てくださった。

 

おもしろいのは3年間のご指導で、基本機能について特に注意を受けることが無かった。また、通常L18が使われるが、L8やL9を使用してコンサルティングに臨んでも、それを題材にご指導くださったことだ。怖い頑固な先生という噂を聞いていたが、当方には優しい先生だった。

カテゴリー : 一般

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